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フランス政府がコロナで打撃を受けた中小企業に総額2兆6000億円を融資

はじめに

フランス政府は2021年3月4日、新型コロナウイルスで影響を受けた中小企業に最大で200億ユーロ(2兆6000億円)程度を支援していくと発表しました。銀行などの協力で有利な条件で借り入れができます。変異ウイルスの拡大が陰を落とすフランス経済の復興のために投資や雇用の拡大に期待を寄せています。

経済で元気を取り戻す

ルメール経済・財務相は4日記者団に「2021年は投資が重要になる。フランス経済は勢いを取り戻す」と述べています。今回の支援策は予め協力を約束した銀行や投資会社が希望する中小企業の資金調達を支援していきます。中小企業は年売上高の最大12.5%まで、中堅クラスの企業は同8.4%までの資金調達を可能にしています。資金調達の3割程度を政府が保証していきます。

返済期限は8年

返済期限は8年で5年目までは元本の返済義務は発生しません。他の債務に劣後すると言う条件も付いていますので実際にさらに返済期限を伸ばすことも可能になっています。ただ利息に関して年5%程度を払うことが条件になります。この資金は既存の債務返済に使うことは許されていません。あくまで新たな事業や従業員の雇用などの投資に使うことが条件になります。

1万社程度が対象

この融資は21年4月から22年末程度まで行われそうです。フランスのテレビ局BFMでは国内の1万社程度が対象になりそうだという見通しを示しています。EUの欧州委員会の承認も4日までに得られそうです。

コロナでの経済低迷が背景

この融資の背景はコロナでの経済の低迷にあります。フランス国内では連日2万人近い感染者が21年3月になっても報告されています。飲食店での営業禁止や午後6時以降の外出制限をしばらく行っていかざるを得ない事情があります。変異ウイルスはフランス全体の新規感染者の過半数を占めるまでになっています。感染の拡大が顕著な南部のリースや北部のダンケルクは週末の終日外出制限を行っています。

そこから資金力の少ない企業の経営破綻が続いています。最近はパリでもシャッターが下りている店を多く見かけるようになっています。特に影響の大きいのが観光や航空業界向けに休業補償などの支援を既に発表しています。ただそれだけでは満足な支援とはいえず、さらなる支援を求める動きが経済界などを中心に高まってきています。

外出制限の拡大を示唆

またフランス政府は4日に週末の外出制限の対象地域を拡大していく方向で発表していく見通しとなっています。ただパリ近郊の「イルドフランス」は対象外になるものと見られます。これは経済の懸念からのマクロン大統領の意向が反映したのではないかと見られています。

参考資料・出典
日本経済新聞:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR04C380U1A300C2000000/

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