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研究員レポート

オンラインによる2社間買取ファクタリング(早期買取)について

はじめに

オンラインによる2社間保証ファクタリング(売掛金保証)につきましては、最近注目を集めていると別途レポートご説明いたしましたか、今回はオンラインによる2社間買取ファクタリング(早期買取)についてご説明いたします。

オンラインによる2社間のファクタリング

オンラインによる2社間保証ファクタリングはあくまでも売掛先が債務不履行を起こした場合、ファクタリング会社が補償を行うものでした。これは売掛先の承諾が不要であり、オンラインで手続きも簡素で保証を受けられるため、多く利用されるようになってきたものです。オンラインによる2社間買取ファクタリングはこれに対し、売掛金の早期資金化を目的に利用するものです。手続きは同様簡単で、保証ファクタリングに早期買取のサービスを加えた商品と言えるでしょう。

オンラインの2社間保証ファクタリングの取引手順

では、具体的にオンラインによる2社間保証ファクタリング(以下「2社間保証」)と比較しながら、オンラインによる2社間買取ファクタリング(以下「2社間買取」)の具体的な取引手順を見ていきたいと思います。

2社間保証の申込は基本的にファクタリング会社の要求する事項をオンラインに入力するだけでしたが、2社間買取の場合は、ファクタリング申込者の決算書、残高試算表、資金繰表、売掛先との取引口座の通帳コピーなどの書類の提出が必要となります。これはファクタリング会社が売掛金の早期資金化を行うため、売掛先の信用リスクだけでなく、依頼人の不払いリスクに備え、慎重に依頼人を審査する必要があるためです。

ファクタリング契約書は締結せず、依頼人は「ファクタリング申込書」を提出するだけです。また、買取を依頼する売掛先の情報としては売買契約書、納品書などが必要です。従い2者間保証の場合は1-2日で審査は終了しますが、2社間買取では1週間ほど掛かります。

ファクタリングの条件は保証と類似

2社間買取のファクタリング取引の条件は2社間保証と大きく変わりなく、売り上げ規模や業種による買取制限は原則的にありません。また売掛先が個人、個人事業者の場合は対象外です。さらに海外取引先は対象外です。また発注書など取引が確認できる書類があれば、売買契約を締結していない取引も買取できる場合もあります。決済期間は原則180日以内です。2社間保証と同様、債権譲渡の手続きは不要です。

基本的にはオンラインで完結

個別の取引は基本的にすべてオンラインで完結いたしますが、売掛先の審査は2-3営業日で終了し、買取に応じてくれます。買取は1回100万円以上が目安で、売掛先件数に特段制約はありませんが、小口先が多い場合はファクタリング会社と相談が必要です。買取総額の上限は依頼人当たり3-4億円程が目安です。

買取手数料は依頼人と売掛先の信用リスクにより異なってきますが、一カ月1-4%レベルの水準となっており、それ以外売掛先の審査手数料も含め手数料はかかりません。手数料は売掛債権買取時に支払います。

買い取り代金の決済日は5日間以内

依頼人の買い取り代金の返済は、決済期日より5営業日以内が原則です。依頼人は支払期日に売掛先より資金を受領出来なかった場合はファクタリング会社に即連絡する必要があります。紛争などでない支払遅延についてはファクタリング会社との交渉で、返済延期を考慮してもらえるケースもあるようです。ファクタリング会社が債務不履行に対し、(売掛先だけでなく依頼人の債務不履行も含む)保険でリスク回避を図っています。

まとめ

以上見てきたようにオンラインによる2社間買取ファクタリングは売掛先の債務不履行に対する保証よりは、依頼人の資金繰り改善のため利用されます。その利用目的は単純な運転資金、繋ぎ資金などの資金繰りを改善するということでなく、前向きな事業資金(広告宣伝費、企業のスタート・アップ資金など)に利用されるケースが多いようです。

従いこのオンラインによる2社間買取ファクタリングは多くの中小企業に利用されるようになってきています。簡単で利便性もよくオンラインで取引も出来ることから、これから地方の取引先にも拡大していくものと思われます。

以上