21年の世界経済は年5.6%程度の成長と上方修正に
はじめに
世界銀行が2021年6月8日に発表した世界経済の見通しで、2021年の世界経済の実質の成長率を5.6%と予想。前回1月の予想よりも1.5ポイントもの上方修正になりました。新型コロナウイルス渦から米・中の経済が復調して世界全体を引っ張る構図になるのではないかと予想されます。「世界的な景気後退後としては戦後の中で最も高い成長率になる」と予想されています。
アメリカは7%近い成長
アメリカの2021年の成長率は6.8%を見込んでいます。前回の予測を3.3ポイントほど上回り、1984年以来の高成長になるだろうと予測しています。3月に1.9兆ドル(およそ200兆円)の経済対策を実現したほかに、新型コロナウイルスのワクチンの普及で景気が回復すると予想しています。さらに中国は8.5%の成長と予測されています。
日本も3%近い成長に
日本も前回1月の2.5%から0.4ポイント上昇の2.9%の成長予測と見込まれています。東京オリンピック・パラリンピックは「海外の観客を入れないため経済的な影響は限定的になる」という悲観路があるも、堅調な国内経済と旺盛な外需が成長を支えて、22年も年2.6%の成長を見込んでいます。
コロナ危機前の予測までは届かない
世界経済は回復に向かってはいるものの、世界銀行は「21年末の時点でも世界全体の国民総生産(GDP)の総額はコロナ危機前の予測をおよそ2%ほど下回る」と指摘されています。マルパス総裁は「途上国では貧困と不平等状態が継続してしまうだろう」という懸念を抱いています。
参考資料・出典
日本経済新聞:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN08C9W0Y1A600C2000000/