中国は景気回復を損ねかねない元高の抑制を図る
人民銀行が中心レートは予想より元安水準に設定
中国人民銀行(中央銀行)は24日、人民元の中心レートを市場予想より元安水準に設定した。予想より安い水準とするのは15営業日連続で、過去最長。当局は景気回復を損ねかねない元高の抑制を図っている。
人民銀はこの日の中心レートを1ドル=6.3692元に設定。ブルームバーグがアナリストとトレーダーを対象に実施した調査の予想平均は6.3688元だった。予想より元安水準とするのは15日連続で、わずかに低かった場合も含めると2018年の調査開始以降で最長となる。
中国、人民元の基本的安定を維持へ-不確実性増す貿易の下支え狙う
輸出の力強い伸びや本土債券市場への資本流入を背景に、人民元は今年これまでに対ドルで2.5%上昇。新興国通貨の中で最も上げが目立っている。また、来年の経済運営方針を決める共産党の中央経済工作会議では「安定」を確保し、柔軟な金融政策運営を維持する方針が示されたことも元買い材料になっている。
中国は安定重視にシフト、成長減速にも対応へ-中央経済工作会議
当局は今月に入り、元高ペースを緩める取り組みを強化。人民銀は9日に外貨預金準備率の引き上げを発表した。
中国人民銀、外貨預金準備率を引き上げ-元高抑制に向け行動
みずほ銀行のアジア外国為替チーフストラテジスト、張建泰氏(香港在勤)は「人民銀は6.35元を突破する元高を防ぐため、今後も元レートを低めに誘導していくだろう」と分析。これを達成するため目先は中心レートに頼るかもしれないと述べた。
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原題:China Pushes Back on Strong Yuan With Record Run of Weak Fixings(抜粋)
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著者:Bloomberg News
東洋経済オンライン