世界経済2.9%成長に減速 世銀、22年見通しを下方修正
【ワシントン=高見浩輔】世界銀行は7日公表した経済見通しで、2022年の世界経済の実質成長率を2.9%とし、前回1月時点から1.2ポイント下方修正した。新型コロナウイルス禍からの持ち直しで5.7%の高成長だった21年から減速する。ロシアのウクライナ侵攻による混乱やインフレの長期化を反映した。23年見通しも0.2ポイント低い3.0%とした。
22年の見通しはウクライナ危機の影響が大きいユーロ圏が2.5%と、1.7ポイントの大幅な下方修正になった。米国は2.5%、日本は1.7%とそれぞれ1.2ポイント下げた。
新興国全体は1.2ポイントの下方修正で3.4%とした。世銀のマルパス総裁は同日の記者会見で、低所得国が発電に使う天然ガスや肥料の不足に直面していると指摘した。「多くの国で景気後退を避けるのが困難になっている」とも説明した。
各国で歴史的な水準に達したインフレ率は23年には緩やかになるが、多くの地域で物価目標を上回ると分析した。高止まりが続くと一部の新興国では金融危機が起きるリスクがあり、急激な世界的景気後退につながりかねないと警鐘を鳴らした。
出典:日本経済新聞