アフリカ、債務膨張に動揺 ドル高で深刻化
【ワシントン時事】アフリカ諸国の債務負担が増大し、動揺が広がっている。
ドル建ての借金が急激なドル高で実質的に膨張しているためだ。問題は約20カ国で深刻化。大国ナイジェリアも債務再編の必要性が取り沙汰され始めた。 「国債の支払期限を延長する方策を探っている」。ナイジェリアのアフメド財務相は13日、訪問先のワシントンで、財政負担の軽減を模索していると認めた。
ナイジェリアの公的債務残高は6月末時点で1033億ドル(約15兆3500億円)。ドル建て国債の利回りは急上昇し、今月13日には3年物が12%台に達した。アフメド氏は「資金調達コストが高すぎる。市場で調達できなくなる」と焦りを隠さず、早めに手を打つ必要があると強調した。 苦境が一段と鮮明なのが、ナイジェリアより経済力の弱いアフリカ諸国だ。国際通貨基金(IMF)のセラシ・アフリカ局長は、サハラ砂漠以南の「サブサハラ」地域で、19カ国が「深刻な債務問題の高リスクに直面しているか、債務問題のさなかにある」と指摘する。
20カ国・地域(G20)は2020年、低所得国の債務を減免する「共通枠組み」を導入。しかし、申請はエチオピア、ザンビア、チャドのアフリカ3カ国にとどまり、減免交渉も進んでいない。
イエレン米財務長官は12日、共通枠組みの現状に「非常にがっかりしている」と発言。とりわけ、大口債権国の中国が協力的な姿勢を示していないと批判した。 ザンビアのムソコトワネ財務相は15日の記者会見で「共通枠組みに代替案はない。債権者は緊急事態だと認識してほしい」と訴えた。
出典:Yahoo!ニュース