OPEC、23年世界需要見通し据え置き 今夏の下振れリスク指摘
[ロンドン 13日 ロイター] – 石油輸出国機構(OPEC)は13日に発表した月報で、2023年の世界石油需要が日量232万バレル(2.3%)増えるとの見通しを2カ月連続で据え置いた。同時に石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」が今月2日に予想されていなかった追加減産を発表した根拠として、今年夏に石油需要の下振れリスクがあると指摘した。 中国の需要見通しは小幅に上方修正した。
OPECは夏の市場見通しに関し、石油在庫はより潤沢になる見通しで、世界の成長が数々の課題に直面していると言及した。 米国で例年ならば見られる季節的な需要増が、利上げによる景気低迷で打撃を受ける可能性があると指摘。中国の厳格な「ゼロコロナ」政策解除後の中国の経済活動再開が追い風になるものの、世界の原油精製の需要減を食い止めるには至っていないと指摘した。
OPECは「世界経済の発展に対する潜在的な課題として高インフレや金融引き締め、金融市場の安定、高水準のソブリン・企業・民間債務などに留意する必要がある」とした。
3月のOPECの生産量は日量2880万バレルと、2月に比べて同8万6000バレル減。原油価格の下支えを目指したOPECプラスの減産と、一部施設での計画していなかった稼働停止が影響した。