米FRB、利上げ再開へ インフレ圧力根強く
【ワシントン時事】米連邦準備制度理事会(FRB)は25、26の両日、連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、金融政策を議論する。
景気が底堅くインフレ圧力も根強いため、政策金利を0.25%引き上げ、6月の前回会合で見送った利上げを再開することが確実視されている。
FRBは6月会合で、政策金利を11会合ぶりに据え置くことを決めた。昨年3月以降で計5%に及ぶ急激な利上げの効果や、シリコンバレー銀行(SVB)など中堅銀行3行の経営破綻が経済に及ぼす影響を見極めるためだ。
その後発表された6月の雇用統計では、失業率が3.6%の低水準にとどまり、「労働市場は引き続き極めて強い」(イエレン財務長官)ことが示された。銀行破綻による信用不安も沈静化し、FRBは「一段の金融引き締めが必要」(ウォラー理事)との判断に傾いている。
FRBは6月会合で、インフレ率を目標の2%へ確実に引き下げるため、0.25%幅で「年内あと2回」の利上げシナリオを示した。FRB高官は、人手不足による賃金上昇で、インフレが予想以上に長引くことへの警戒感を隠さない。
ただ、インフレ率は昨年半ば以降、低下基調にある。6月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.0%上昇と、2年3カ月ぶりの低い伸びとなった。今回で利上げが「打ち止め」になるとの観測が一部で浮上する中、パウエルFRB議長の記者会見での発言が、今後の金融政策運営の手掛かりになりそうだ。