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ユーロ圏の失業率、過去最低7.0% 賃上げへの波及焦点

【ベルリン=石川潤】欧州連合(EU)統計局は1日、ユーロ圏の2021年12月の失業率が7.0%に低下したと発表した。統計を遡れる1998年4月以降で最低の水準となった。新型コロナウイルスの感染拡大後に手厚い雇用維持策が実施され、その後、景気回復が比較的順調に進んだためだ。賃上げに波及すれば、金融緩和縮小への圧力も強まりそうだ。

ユーロ圏の失業率は20年3月の7.2%から同年8月に8.6%まで上昇した。失業率が戦後最悪の15%近くまで上昇した米国と比べると、政府が賃金の一部を負担する時短勤務制度の効果などもあって、当初から比較的低い水準に抑えられていた。その後、景気が回復に向かったことで、失業率も徐々に低下していた。

今後の焦点は、失業率の改善が賃金上昇に波及するかだ。賃上げが広がれば、物価上昇の勢いは一段と高まる。これまで物価上昇は一時的と見ていた欧州中央銀行(ECB)も緩和縮小のテンポを上げざるを得なくなる。

ただ、雇用環境は国によって異なる。失業率はドイツが3.2%、オランダが3.8%と低いのに対して、スペインは13.0%、ギリシャは12.7%と高止まりしている。若者の失業率はユーロ圏全体で14.9%と高く、スペインは30.6%、ギリシャは30.5%、イタリアでも26.8%という状況だ。

ECBは3日に理事会を開くが、今のところユーロ圏の賃上げの動きは弱いとの見方を崩していない。3月にも利上げに踏み切る米国とは対照的に、段階的に緩和縮小を進めるという慎重な構えだ。

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