世界経済見通し「先進国の9割で成長率低下」「1990年以降で最も低い」…IMF専務理事
【ワシントン=田中宏幸】国際通貨基金(IMF)のゲオルギエバ専務理事は6日の講演で、「2023年は先進国の9割で成長率が低下すると予測している」と述べた。ロシアのウクライナ侵略や高止まりするインフレ(物価上昇)で経済の回復力はなお弱いとの見方を示した。 【グラフ】中国のGDP、昨年は政府目標を大幅に下回る
IMFは11日に新たな世界経済見通しを発表する。ゲオルギエバ氏は「23年の世界経済の成長率は3%未満になり、今後5年間、3%前後で推移する」との見通しを示し、「1990年以降、最も低い成長見通しだ」と語った。
インフレを抑えるため、各国の中央銀行が金融引き締めを続けていく必要性を強調した。一方で、米中堅銀行の経営破綻を念頭に、「金利が上昇する中で、リスク管理の失敗と監督の失策が表面化した」と指摘した。金融不安が広がった場合に、流動性の供給を通じて対処する必要性も示した。