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コロナの影響で南米の通貨安が加速

はじめに

南米の一部の国や地域で政治混乱などによる社会不安を背景に通貨安が進んでいます。ペルーでは6月の大統領選を前に急進してきた左派の候補が優勢なことに嫌気をさして通貨が最安値を更新しています。コロンビアも反政府へのデモが続いて為替相場は不安定な状況が続いています。この地域でも新型コロナウイルスの収束の見通しがつかず、資源や穀物価格の上昇という追い風を活かしきれていません。

ペルーも最安値を更新

ペルーの基軸通貨であるソルは4月27日に過去最安値を更新しました。6月6日に予定されている大統領選の決選投票で天然資源の国有化などの急進左派的な政策を掲げている市民活動家の方やペドロ・カスティジョ氏が世論調査で対抗馬のケイコ・フジモリ氏をリードしていることが明らかになったことで相場が嫌気を示しました。

最近ではフジモリ氏が差を詰めているということで相場が少し戻っては来ていますが、同国のエコノミストのカルロス・パロディ氏は「カスティジョ氏が当選し急進的な路線を維持すれば、為替相場はソル安・ドル高の方にさらにシフトする」と予測をしています。「大手企業が国を詐取することは許さない」という主張をするカスティジョ氏は多国籍企業が資源売却で得た利益を国に還元すべきという主張をしています。もし当選できると海外からの投資の縮小などの影響が経済に出てきそうです。

コロンビアでもデモが加速

コロンビアでは政府の増税案をきっかけにして4月末に始まった大規模な反政府デモが収束をせず、基軸通貨のペソが年初来9%近い通貨安になっています。ドゥケ大統領は5月11日に若年層の反発を和らげるために高等教育の無償化を発表するもデモは沈静化しません。

ウルグアイも安値圏で推移

新型コロナウイルス対策のワクチン接種の面で他の南米諸国よりも優位に立っているウルグアイでも基軸通貨のペソが年初来の安値圏に沈んでいます。中国製のワクチンを中心にワクチン接種が1国民あたりで0.6回とかなり進んではいるも、今度はブラジル型の変異ウイルスが拡大して人口当たりの死者数が世界最大規模に達しています。またアルゼンチンもIMF(国際通貨基金)との債務再編交渉の不透明感が続いていてドル買いが続いて自国通貨は売られています。

資源や穀物の価格は上昇

アメリカ経済の回復が見込めることで、商品市場は高値がついて資源や穀物の価格は上昇しています。これは財政と経常の双子の赤字を抱えている南米諸国には産品の価格上昇は本来であれば経常収支の改善にはつながりますので追い風になるはずです。ただ多くの国でネガティブな要因が解消されないところから通貨安を大きく改善するには至っていません。

通貨安にメリットはあるも

自国の通貨安は貿易面で有利になるので短期的には効果が出ます。ただ中長期的にはマイナスになることが多いです。今年に入って新型コロナウイルスの感染の拡大が続いていることもあって、ブラジルの基軸通貨レアルも売られ傾向になっています。そこで輸入物価の価格が上昇してここから4月の物価上昇率が年率で6.76%と4年半ぶりの高い水準になっています。ブラジルの中央銀行は通貨安とインフレを抑えるために3月と5月の金融政策決定会合で連続の利上げを余儀なくされています。ここからも先行きの不透明感が高まってきています。

参考資料・出典
日本経済新聞:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN12FOQ0S1A510C2000000/

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