タイへの直接投資が4倍に・日系企業がけん引役に
はじめに
タイ投資委員会(BOI)は2021年1月から6月の国外からの直接投資額(FDI)が前年の同期比のおよそ4倍の2786億バーツ(9200億円)程度と発表されています。新型コロナウイルスの影響で投資の冷え込んだ前年の反動があったようです。感染拡大前の19年と比較しても89%ほど増えています。最大の投資の国である日本やアメリカ・中国による電子機器と医療用品分野などへの投資が膨らんでいます。
日本がトップ
国や地域別では日本がトップでした。投資の申請額は427億バーツとおよそ2倍になっています。ミネベアミツミがタイでの軸受け(ベアリング)の生産能力の増強に100億円の追加投資を決めていくなどの大型投資が目立ってFDI全体の15%を占めています。
2位と3位はアメリカと中国
2位はアメリカでタイにバイオプラスチック工場の建設を計画しているアメリカネイチャーワークスなどの投資が進んでいます。投資の申請額はおよそ16倍の241億バーツまで増えています。3位の中国は29%増の186億バーツでした。足元では長城汽車などがタイで電気自動車(EV)分野への積極投資を進めています。
産業別では電子機器や石油化学など
産業別では電子機器・医療用品・石油化学・食品・バイオテックなどへの投資が多くなっています。タイ政府は投資の優遇策を設けて先端技術を持つ外資系企業の誘致に取り組んでいて、一定の効果が出ています。申請件数は6%減の403件です。大型投資が増えて1件当たりの投資額が膨らんでいます。
BOIのドゥアンチャイ長官は「コロナウイルスの影響で世界的に厳しい投資環境が続く中でも海外の投資家がタイを投資先に選んでくれたことにはとても励まされている」と述べています。
参考資料・出典
日本経済新聞:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGS091PR0Z00C21A8000000/