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2020年上場企業の早期・希望退職93社とリーマン・ショック以降で09年に次ぐ高水準に

はじめに

2020年に早期で退職希望を勧告した上場企業は93社にのぼりました。募集の会社はリーマンショック直後の2009年に次ぐ高い水準になります。前年は35社だったので2.6倍に急増しています。希望退職の募集人数は判明した80社で1万8600名超と2009年以来の水準になっています。募集をした会社の半数以上が赤字を抱えている企業で、事実上の赤字解消のためのリストラを行ったものと解釈されます。

業種別では新型コロナが直撃したアパレルや繊維製品が18社で最多となっています。米中の貿易摩擦の影響も残る自動車関連や電機産業も増加しました。2021年もすでに22社の上場企業が希望退職を行う方向で進んでいます。3月の年度末に向けてコロナの影響の大きいBtoCの業種を中心にして募集企業が高い水準で推移するのではないかとみられます。

アパレルや繊維製品が18社と最多

早期で希望退職の募集を行った会社が18社と全体の2割近くを占めました。次に自動車関連と電気機器が11社となっています。居酒屋チェーンの運営会社を中心にコロナ渦の影響が長引いている外食産業と小売でそれぞれ7社、サービス業で6社となっています。サービスの内訳は旅行関連や広告関連が各2社となっています。ウエディングや人材紹介で1社と新型コロナによる業績の低下を要因としている企業が多くなっています。

年に2回の募集・再募集を行う企業が続出

2020年に年間に2度の募集をした企業も8社と前年の1社に比較して急増しました。ラオックス・アツギ・Success Holdersなどのコロナ渦で業績が急激に落ち込んだ業種でそのような傾向が見られました。リーマンショックの直後の2009年には16社が複数回の早期の希望退職を行っています。その当時は情報通信・小売・製造などのような幅広い業種で行われています。2020年はアパレル・繊維と電気機器や広告などの新型コロナのあおりを受けた業種に集中しています。コロナ渦が長引く中で2020年同様に21年内に2度以上の希望退職の勧告を出す企業が出てきそうです。

2021年だけでもすでに22社が

2021年に募集を開始する上場企業は1月21日の時点ですでに22社が判明しました。前年同期比の2倍増のペースで進んでいます。募集人数も判明分で3500名程度と前年同期比よりも1300名近く多くなっています。業種は主にアパレル・繊維製品と自動車関連が3社で最多となっています。その次に外食産業とサービス業が2社で続いています。サービス業はいずれも観光関連でコロナ渦で業績の悪化をまともに受けています。新型コロナ感染拡大の収束を見通すことができずにBtoCやその関連業種を中心に希望退職が目立っています。このため非正規雇用などを含めた人員整理が今後も加速する傾向が出てきそうです。

参考資料・出典 東京商工リサーチ:https://www.tdb.co.jp/tosan/syosai/4761.html

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