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2020年の企業の倒産はコロナ渦の中でも減少に

はじめに

東京商工リサーチが発表をした2020年の企業の倒産件数は前年比7%減の7773件にとどまりました。2年ぶりに減少しただけでなく1990年以来の30年ぶりの低水準となりました。2020年の企業の倒産はコロナ渦の中でも減少に新型コロナウイルス渦の中での中小企業の相次ぐ倒産が予想されていましたが、20年に関しては金融機関を中心とした無利子かつ無担保の融資などが企業存続の下支えをしました。ただすでに多くの企業は借り入れる予算がないことそしてさらなる緊急事態宣言などでの事業縮小によって21年も楽観的な見通しを立てることは難しいと言わざるを得ません。

倒産件数は30年ぶりの水準まで減少

倒産件数は90年以来の少なさにとどまりました。負債総額は1兆2200億円程度で3年連続の減少になりました。負債総額217億円のエアアジアジャパンや138億円のレナウンなどの大型倒産が増えるも、民間の金融機関の支援などによって負債総額の大きくない企業の倒産は減っています。

また業種別では繊維業や飲料・食料品製造などの業種で倒産件数が減少。他方で宿泊・サービス業や飲食業などは倒産が増加しています。新型コロナウイルスでもろに影響を受けた業種に関しては概ね倒産件数は増加しています。

倒産件数は1万件を超す?

東京商工リサーチでは新型コロナウイルスの影響が出てきた20年初の時点で年間の倒産件数は全国で1万件を超すであろうという予測をしていました。これは従業員不足で操業が難しくなる企業が多くなるところにコロナでさらに大きな打撃を受けるであろうと推測したためです。

ただ実際にはさほど倒産は増えませんでした。これは政府が20年春に民間金融機関を通しての企業との資金繰り支援を強化したことが大きいと見ています。メガバンクや地域の金融機関が政府系の金融機関同様に実質無利子・無担保で融資を受けることができるようにしたことが大きいと思われます。

信用保証額の承諾数がリーマン時を超える

全国信用保証協会連合会の調べでは、実質無利子・無担保を含む民間金融機関の融資への保証の承諾額が20年4月から11月で26兆4700億円超と前年同期の5倍となっています。件数も146万件弱と前年同期比で3.5倍です。額・件数とも08年度のリーマンショック時を超えています。

また3月末から11月末までの銀行と信用金庫の貸出残高の増加額が28億円となっています。これは中小企業向けの融資の大部分を信用保証協会の保証によって支えたという構図が見えてきました。ただ20年春先の融資を受けた企業は1年後の21年春・大型連休の前後ごろに返済期限を迎えます。多くは継続的な融資を望んでいるも今後の見通しが立たないということもあって借り続けるにも限界があります。また自らで廃業や休業を選んだ企業も20年1月から10月期で4万3800件程度と19年の年間の水準を上回っています。

追加融資は難しい

「金融機関もはじめは勢いに任せて融資を行ってきた。ただ今後の追加融資の要請に応えていくことは難しい」と政府系金融機関の職員も話しています。コロナ初期のころは短期資金で資金繰りをしていくことで企業の連続的な倒産を回避することが目的でした。

さらに売り上げが元に戻らない状況下での2度目の緊急事態宣言入りで借り入れた資金が不足する懸念が出ています。当初より深刻なのは企業の借り入れの余力が乏しくなっているということです。

目の前の倒産は回避できる

融資を受け続けることでとりあえずの倒産は回避できます。ただ「零細企業にとっては複数回の融資を受けることはかなりのダメージを受ける。貸出枠があるから安心というわけではない」という全国地方銀行協会の会長で横浜銀行頭取の大矢恭好氏は定例記者会見でこのように話しています。

緊急事態宣言が2月7日で終了するかどうかは微妙なところです。これが伸びることで観光・宿泊・飲食業などがさらなる苦境や倒産に追い込まれます。政府や民間の金融支援ができないとなってくると倒産件数が大幅に増加する可能性があります。

参考資料・出典
日本経済新聞:https://www.nikkei.com/article/DGXZQODF293Z50Z21C20A2000000/

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