健全なはずの不動産開発会社の社債が記録的下げ
子会社デフォルトで不動産セクター全体へ波及懸念
中国の不動産開発会社、世茂集団の社債価格が6日、過去最大の下げを記録した。同社子会社の人民元建てローンの一部について債権者がデフォルト(債務不履行)を宣言した。
中国不動産の世茂が融資でデフォルト、6.45億元の延滞-中誠信託 (1)
債権者の中誠信託による投資家への通知によれば、世茂集団の子会社は、信託商品に関し6億4500万元(約117億円)の延滞が発生した。
世茂集団は居住用不動産やホテル、オフィスなどの商業用不動産を開発し、中国の不動産業界では社債発行が最大級。同社のドル建て債券は6日、過去最大の値下がりを記録。7月償還のドル建て債(表面利率4.75%)は香港時間午後4時56分(日本時間午後5時56分)時点で額面1ドル当たり25.1セント下落し、45セント。
中国不動産業界は、住宅市場での過度の借り入れや投機に対する政府の取り締まりを受けて主要企業が債務不履行に陥り、大きく揺れている。比較的健全な不動産開発会社の一角と受け止められていた世茂集団は、中国恒大集団や佳兆業集団を含むライバル企業のデフォルトでも最近まで痛手を受けていないように見受けられた。6日の世茂集団の社債価格急落は、中国経済の約4分の1を占める不動産セクター全体への波及懸念をかき立てる可能性が高い。
世茂集団の国内債とオフショア債の発行残高は約100億ドル(約1兆1600億円)。同社に取材を試みたが、すぐには返答はなかった。
原題:Shimao Default Notice Hammers Bonds, Stokes China Property Fear(抜粋)
More stories like this are available on bloomberg.com
著者:Bloomberg News
東洋経済オンライン