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中国の「粗鋼生産量」が6年ぶり減少の背景事情

「カーボンニュートラル」目指す政府が減産圧力

中国の粗鋼生産量が6年ぶりに減少に転じた。中国国家統計局が1月17日に発表したデータによれば、中国全土の鉄鋼メーカーによる2021年の粗鋼生産量は前年比3%減の10億3000万トンだった。

これまでの中国経済の成長とともに、粗鋼生産量は右肩上がりで増え続けてきた。前年比で減少を記録したのは2015年以降では初めて、40年前の1982年以降でもこれが2回目である。

2021年の粗鋼生産は、年の前半と後半で様相が大きく変化した。前半は新型コロナウイルスの流行が落ち着いて(防疫対策が緩和され)、国内経済が急速に回復。1~6月の粗鋼生産量は旺盛な需要に押し上げられ、前年同期比12%増の5億6000万トンに達した。

ところが、後半になると中国政府による生産抑制政策の締め付けが強まり、さらに需要の失速が重なった。その結果、7~12月の粗鋼生産量は前年同期比16%減の4億7000万トンと、一転して大幅に縮小した。

「超低排出」設備への投資加速も指示

中国政府が締め付けを強めた背景には、「二酸化炭素(CO2)の排出量を2030年までに減少に転じさせ、2060年までにカーボンニュートラルを実現する」という国家目標がある。中国は世界最大の鉄鋼生産国であり、鉄鋼産業のCO2排出量は工業セクターのなかでも突出している。言い換えれば、粗鋼生産の抑制は政府にとって国家目標を実現する近道なのだ。

鉄鋼業界を所管する中国工業情報化省は、すでに2020年12月末の時点で「2021年の全国の粗鋼生産量を前年より減少させる」とする目標を通達。2021年前半には鉄鋼業界が増産を続けるなか、マクロ経済政策を統括する国家発展改革委員会が「減産目標は必ず守られなければならない」と繰り返し警告を発していた。

国家目標の達成に向けて、中国政府は2022年も粗鋼生産の厳しい抑制を続ける方針だ。と同時に、鉄鋼メーカーに対して製鉄所のCO2排出を大幅に抑える「超低排出」設備への投資の加速を指示している。

これまでに超低排出への改造を終えた設備は、生産能力換算で約1億4000万トン分とされる。だが、政府は2022年末までに約5億6000万トン分との目標を示しており、鉄鋼メーカーは強いプレッシャーにさらされている。

(財新記者:趙煊)

出典:東洋経済オンライン

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