手形の期限短縮:経産省・コロナ下の資金繰り支援
はじめに
政府は企業の資金繰りの改善に向けて発注企業(手形の振出し企業)に支払代金の迅速な支払いを求めていきます。
経済産業省では通達で120日以内としている支払期限を短縮していきます。
制度趣旨
手形の受け取りが遅くなると資金繰りが厳しくなる中小企業を保護していきます。
新型コロナウイルスの影響で手形の支払いが滞らないような措置を採ること・さらにそれがしっかりと出来ているか。その監視を強めていきます。
経産省で検討会を重ねる
月内に経産省が検討会を重ねて公正取引委員会や金融機関の関係者らと議論を始めます。秋ごろまでに約束手形での支払いに関する通達の改正を目指します。
また売掛代金債権を現金化していくファクタリングにも支払期限の早期化を求めていきます。
手形の支払い期限は業界によって多少は異なるも現在は90日から120日程度が主流です。平均は110日程度。この期限の短縮を考えています。遵守できない場合は行政指導の対象になります。
今までも経産省では期限の短縮について発注側の企業に話を進めるも、慣習などを理由に話に応じないと判断して今回の措置に踏み切りました。
景気は悪化
この新型コロナウイルスの影響で景気が悪化。さらに企業の手形などの支払い期日が伸びているという方向になっています。
そうなると受注企業(受け取り企業)の業績がさらなる悪化を招くということでこの判断を行いました。
手形・ファクタリング・売掛とも、発注企業の方が一般に立場が強いことが多く、立場の弱い受注企業がさらなる疲弊をすることへの懸念と改善をしたのかなと思われます。
国や金融機関もどの企業を助け・どの企業を見捨てるか。この選別をしなければならないという事態になるのではないかと考えられます。
出典:日本経済新聞