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国内景気支える外需 5月貿易統計、半導体不足なお懸念

はじめに

海外需要が国内の景気を支えていく柱となっています。6月16日に財務省が発表をした5月の貿易統計で輸出は前年同月の1.5倍となって3か月連続の増加となりました。新型コロナウイルスの影響の出る前の一昨年に比べても7.3%増えました。半導体不足はいまだ懸念材料と言えますが、世界経済の回復を追い風に輸出は堅調に推移しそうです。

輸出は前年同期比で増加

輸出額は6兆2613億円ほどで前年同月に比較して49.6%ほど増えています。伸び率も1980年4月以来の高さになりました。輸入は27.9%増の6兆4484億円でトータルで1871億円程度の赤字になりました。輸出の一部には半導体不足の影響が大きく出ました。

昨年に新型コロナウイルスの影響で落ち込んだ反動で、5月の自動車の輸出額は前年同月の2.4倍と大きく伸びるも、一昨年同月比と比較すると15.6%減の低水準に落ち込みました。車載用の半導体の不足の影響で自動車の生産が伸び悩んだことが響きました。海外の需要の増加を背景に「自動車輸出は年後半には生産・輸出の挽回が期待できる」(シティーグループの相羽氏)の見方がエコノミストの間でも強くなっています。

他国ほどは伸びていない

内閣府が同じ16日に試算した季節調整済の輸出指数をみていくと前月比では2.5%低下しています。ただ1月から3月と4・5月の平均値を比較していくと1.2%の上昇とプラスを確保しています。地域別に期間を比較していくとアメリカが5.1%の上昇のほか、アジアも2.0%ほど上昇。欧州連合(EU)も12.8%も伸びました。

世界経済は順調に回復

世界経済の回復が輸出の大きな追い風となっています。IHSマークイットがまとめた製造業の景況感を示す5月のPMIは世界全体で56.0と前月に比較して0.1ポイント上昇しています。好不況の目安となる50も大きく上回っています。中でも先進国が59.8と高い水準で推移しています。

ワクチンの普及が追い風に

コロナウイルスのワクチンの普及でアメリカや欧州の経済活動が再開しました。そこから個人消費も回復傾向にあります。日本にとっても輸出の拡大を起点として製造業の生産活動が押し上げられていく見通しとなっています。活動自粛の影響で個人消費を中心とする国内の経済は停滞する中でも海外需要は好調です。この海外の需要が景気を当面支えていくものとなりそうです。

参考資料・出典
日本経済新聞:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA164RW0W1A610C2000000/

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