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米国経済の伸びが一段と顕著に

はじめに

アメリカの連邦準備制度理事会が2021年6月2日に発表した地区連銀経済報告では、アメリカ経済が4月上旬から5月下旬にかけて一段と上向いたとの判断を示しています。新型コロナウイルスのワクチンが普及して景気が回復する一方、サプライチェーンのひっ迫などで企業がコスト増に直面しています。一段の物価の上昇圧力に警戒感を示しています。

予測よりも速いペースで拡大

ベージュブックは前回よりも幾分速いペースで緩やかに拡大したと総括しています。飲食サービス業・ホテルやレジャー産業・小売業の伸びが力強くなっています。製造業も良好でした。ニューヨーク地区の小売チェーンは「海外からの観光需要が弱いにもかかわらず、売上は計画を上回ったとしています。ホテルの客室の稼働率も回復していて、「出張・会議・イベントの予約も増え始めた」と見ています。

時給1500円でも採用できない

景気の回復に伴って雇用は確実に増えるも人手不足も深刻になっています。企業からは「労働者をみつけるのが異常なほどに難しい」という声が上がっているということです。低賃金の労働者や運転手さらに専門技能を持つ労働者の採用が難しく、求人が埋まらずに需要増に応じて増産できなかったり、時短営業に追い込まれたりする企業も少なくないということです。

人手不足で賃金の上昇圧力も高まっています。時給14ドル(1500円)でも未熟練労働者を確保することが難しいという例も少なくありません。より高い賃金や適職を求めての転職も増えてきています。ニューヨーク地域では主要産業の相当数の企業の賃上げを計画しています。

半導体の不足にも悩む

半導体などの部品の調達が難しいことも深刻になっています。報告書には「半導体の不足が将来の不足が将来の生産計画の制約になっている」「半導体不足で新車の供給が減って在庫は極めて低水準」という言った内容が盛り込まれています。特に建設資材や原材料の急騰を指摘する声も上がっています。輸送や梱包の費用そして石油化学製品の値上がりもしています。

人件費や調達難に伴って、物価の上昇圧力は日ごとに高まってきています。「部品メーカーが(人手不足によって)以前よりも頻繁に価格を上げてきている」といった指摘もあります。強い需要を背景に製造業や輸送業などの企業の多くがコストの上昇分を商品やサービスの価格を転嫁してきています。報告書では足元で「物価の上昇圧力が一段と強まっている」と指摘しています。先行きに関してはコスト増と価格の上昇は今後数か月続くとの見方が多くなっています。

今後の検討材料に

この報告では5月25日までの情報に基づいて、全米の12地区の地銀が経済の動向をまとめたもので、6月の15日から16日に開かれる次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)の検討資料になりそうです。

参考資料・出典
日本経済新聞:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN02F1A0S1A600C2000000/

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