ウクライナ侵攻は保険業界に重大な影響を与える可能性
ロシアのウクライナ侵攻はインフレ圧力を増大させる可能性があり、世界の保険業界に大きな影響を与える可能性が高いと思われます。
格付け機関は2月25日、世界的な中央銀行と米連邦準備制度理事会(FRB)のインフレを封じ込めようとする努力が試されると述べました。さらに、制裁は、石油や商品価格だけでなく、観光や世界の回復力の低い国の経済に深刻な連鎖効果を持つ可能性があるとみています。
制裁の効果は双方向と言えます。例えば、ロシアにガスを頼っている英国や他のヨーロッパ諸国は、価格がすでに上昇した水準からさらに急騰するという非常に現実的な懸念があります。
さらなる制裁は、国際保険会社や再保険会社がロシアのリスク引受能力に影響を与えたり、既存の保険契約に関する保険請求に対し、より困難な状況にする可能性があると思われます。最も影響を受けるのは、ロンドン市場の保険会社や国際的な再保険会社など、エネルギーやインフラのリスクを多く引き受けている人たちです。
ロシアの航空会社と再保険に加入している外国の保険会社は、侵略のために経営が回復困難な状況を迎えるかもしれません。
制裁はロシアの保険会社のバランスシートと国際的な提携先との関係にも影響を及ぼすだろうと思われます。投資の評価は、長期にわたる株式市場の下落、ロシア中央銀行の政策金利の上昇、または信用スプレッドの拡大の影響を受けると思われます。バランスシートの一方では、予想を上回るインフレが保険金コストに影響を及ぼし、保険会社の準備金の妥当性に影響を及ぼす可能性があると思われます。
紛争のエスカレートは、組織的なサイバー攻撃のリスクも高まります。リスク認識の高まりは、すでに厳しくなっている市場で高い保険料につながる可能性があると思われます。
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出典: Insurance Journal