タイ航空が破綻に・債権者が再生計画案の採決を延期
はじめに
経営破綻したタイ国際航空は2021年5月12日、この日に予定していた債権者集会での事業再生計画案の採決を19日に延期したと発表しました。一部の債権者が再生計画案の内容を引き続いて検討する必要があるとして採決の延期を要請したためです。同社の経営再建は見通しが不透明な状況が続いています。
タイ航空の現在の状況
タイ航空は収支改善策や債務返済猶予などを盛り込んだ再生の計画案を提出していました。タイ航空によると同年5月7日に会社側と債権者側の一部の方が債務の返済条件について修正案を提示。規定数を上回る債権者が修正案をさらに検討する時間が欲しいということで採決の内容が延期になりました。19日の債権者集会で再生計画案が可決されるとタイ航空は事業の再生に動き出すも、もし否決ならここで破産宣告がなされます。
コロナの影響もあって需要が減少
タイ航空は新型コロナウイルスの影響で旅客需要が減少しています。2020年5月にはタイの破産法に基づく事業再生の手続きの開始を申請して経営破綻しています。負債総額は過去最大の4100億バーツ(およそ1兆4350億円程度)になります。タイの物価を考えると日本換算だと5兆円以上にはなりそうですので相当の額です。可決でも新型コロナウイルスの問題は世界的には収束していません。かなりの茨の道が待っていそうです。
大幅な赤字で経営再建はかなりの困難
2020年12月の決算では連結での最終損益が過去最悪の1411億バーツの赤字で債務超過額が1286億バーツにまで膨らみました。またコロナの前からも業績が低迷していますので非効率な経営も問題視されています。
参考資料・出典
日本経済新聞:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGS122Q40S1A510C2000000/