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新型コロナウイルスの影響で債務不履行の会社が世界中で増大

はじめに

新型コロナウイルスの影響で債務の返済や利息の支払いができなくなっている企業が世界中で激増しています。12月上旬現在で今年2020年に社債の返済ができていない債務不履行に陥っている企業が220社を超えています。これは前年の倍の水準を超えています。

現在は歴史的な低金利で返済のしやすい世の中になっています。それでも返済が滞っている理由は新型コロナウイルスの影響での債務超過の企業が急増しているからです。市場がこのような企業への懸念を強めて社債の利回りが上昇していくと企業の倒産が増える可能性が高くなります。そうなると経済がますます厳しくなってしまいます。

社債のための資金が集まらない

中国山西省の国有企業の山西国際電力集団が発行を予定している社債の35億元(550億円)に対して、実際には5億元(80億円弱)程度しか資金が集まりませんでした。また11月上旬には政府系の半導体大手の紫光集団の資金繰りが悪化して信用不安が国有企業に波及しました。11月以降は中国で発行を延期または中止した社債総額は2000億元(3兆2000億円弱)を大きく上回ります。

低金利でも債務不履行率が上昇

世界全体でみると社債市場は中国を除くと比較的安定しています。国債に対しての社債の利回りの上乗せ幅(スプレッド)はコロナウイルスの感染初期の3月ごろには4%程度にまで上昇しました。ただ12月現在ではコロナ前とほぼ同水準の1.6%にまで低下しています。また2020年の世界の社債の発行額もすでに世界最高水準になっています。各国が3月以降に導入をした大規模緩和や財政政策で金利の上昇が抑えられています。

それでも社債の債務不履行が増え続けています。SPグローバル社が格付けを付与する企業に対して集計をしたデータではアメリカの債務不履行は前年比の1.8倍の143社、ヨーロッパでは2.8倍の42社、新興国も1.3倍の28社程度にまでなっています。世界全体でもリーマンショックが起こった2009年以来の200社超えとなっています。社債が債務不履行に陥る確率も5%を超える水準にまで上昇しています。

ただ債務不履行は特定の業種に集中しています。アメリカでは老舗の百貨店のJCペニーが倒産しました。イギリスでも11月にアパレルなどの事業を行っているアルカディアグループが経営破綻をしました。またそこからの取引先である老舗百貨店のデベナムズへと破綻が連鎖しました。債務不履行を起こした220社超のうちで債務不履行を起こしたのはエネルギー、消費財、小売などの業種でおよそ6割を占めています。

コロナが収束しても苦戦と予測

これらの業界はコロナが収束をしてもすぐに売上や利益が回復せずに苦戦が続くだろうという見方をしているところが多くなっています。アメリカの運用会社のティー・ロウ・プライス社のロバート・シャープス最高運用責任者はコロナで加速をしてしまったデジタル化の流れは止まらない。小売やエネルギー業界は全体的に苦戦が続く傾向になるだろうと予測しています。

債務過剰企業が多い

 

債務不履行の流れが止まらないのは過剰債務の企業が膨らんでいるからです。QUICKファクトセットのデータを基に世界の上場企業約3万4000社を調べたところ、2020年度までに3年連続で債務の利払いをEBIT(利息及び税金控除前利益)でカバーできなかった企業が26.5%と近年では最高水準になっています。アメリカでは35%程度と主要国の中でトップです。また中国でも11.0%と急増しています。日本は4%程度と世界の中では低い水準になっています。ただこれでも9年ぶりの悪い水準になっています。

延命で持った?

実は社債購入などのコロナの危機に対応した中央銀行による企業の資金繰り支援策が過剰債務企業の延命という形になってしまいました。「拙速な支援の縮小は2021年経済の大きなリスクになるだろう」とS&Pグローバルのアレクサンドラ・ディミトリエビッチ氏は指摘します。企業活動の委縮を避けながらも再編などを通して収益力をどのように高めていくかが今後の課題になります。

債務不履行予備軍の企業が増える

債務不履行・デフォルトは借り入れた資金などを期日までに返済できなかった場合はもちろんのこと、倒産申請などの手続き・経営難などで通常の企業運営を行えないと判断された場合にも適用されます。

借り手の財務状況・事業の安定性などを基準に債務不履行に陥るリスクの大きさを格付け会社などが分析してグループ分けしたものを「信用格付け」といいます。この信用格付けがBマイナス以下になると将来の債務不履行の可能性が大きく上昇するといわれています。

グローバルという信用格付け会社のデータでは2020年末の時点でアメリカでは6割弱、欧州でも4割超の企業がこの格付けBマイナス以下とランクされています。これは今年初めのコロナ渦以前よりもやや増えています。特にアメリカのエネルギー業界や小売業界では全体の8割近くの企業が格付けBマイナス以下のデフォルト予備軍の位置にあるというデータも出てきています。

この信用格付けの低い企業はその分の高い金利を上乗せして投資家に支払う必要が出てきますのでますます厳しい状況になることが予想されます。

参考資料・出典
日本経済新聞:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGE075XW0X01C20A2000000

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